このノードストロームの成功に刺激されて、デパートの将来像をめぐる意見も大きく変わってきました。
デパートはもはや建物の大きさを競い合う時代ではないのです。
出産から墓場まで、何でも扱うことが果たして必要なのでしょうか。
それよりせいぜい3階建てぐらいの広さで、店を郊外に出し、扱い品目もぐっと絞る。
ファッション衣料とかアクセサリーなどに。
そして密着した顧客サービスで高いマージンと早い商品回転につなげる、これがこれからの望ましいデパートの姿ではないのか・・・こうした意見が大勢をしめるようになったのです。
いままでのデパートやスーパーマーケットは、1週間に70時間かそれ以上店を開いていますが、その大部分をパートタイマーに頼っているのです。
これではよいサービスはできません。
販売員より親切心を売り場にちりばめるのです。
そうした流れにそって例えばシカゴの名門百貨店「マーシャルフィールド」などは、マネジャーが店内を巡回し、店員がお客に目配りしているかどうか、もし行き届いたサービスが目についたらコインを1枚渡します。
それが100枚たまると特別の有給休暇を与えられるのです。
これを同社では"コイン奨励制度"と呼んでいますが、とにかく目の届く範囲内にマネジャーを配置しているところが面白いですよね。
ミネアポリスの「バーリィ」というスーパーは、一切広告をしません。
その代わり、その分の経費をサービスに振り分けるのです、
店ではフルタイマーのホームエコノミストを雇い、お客さんが「300人のパーティーにはどれほど材料を揃えたらいいか」と尋ねたときに間違いのない適切なアドバイスをします。
また、ダイエット食を求めるお客には、ホームエコノミストはブルーのノートにファイルされた無添加、低塩食の一覧表を見せます。
それらの商品は売り場でもブルーのタッグが付けられて一目瞭然で見分けが付くように工夫されているのです。
よく「店がお客のことを覚えるには3月かかるが、お客は店のことを一目で見抜く」といわれるように、厳しい販売競争のなかで消費者がお店を見る目も厳しくなっているのです。
顧客サービスがあらためて見直しの時代に入っていることは間違いないでしょう。